【エックスキッチン監修】バーチャルレストランとは。ビジネスの仕組みと開業までの検討事項を解説
近年、自粛の影響でフードデリバリー需要が増えています。またUber Eatsの普及もあり、フードデリバリーのオンライン注文比率が圧倒的に向上しました。
こういった業界の変化からアメリカを筆頭に1つの店舗で複数のデリバリー専用ブランドを取り扱うバーチャルレストラン(VR)と呼ばれる事業が生まれました。
この記事では、バーチャルレストランの全体像の解説と、バーチャルレストランを開業して収益を得る方法を紹介します。
バーチャルレストランFCを運営している事業者目線で、実際の例を元に解説します。
バーチャルレストランとは。ビジネスの構造を解説
そもそもバーチャルレストランとは何でしょうか?わかりやすいように図で解説します。
主にバーチャルレストランとは、実店舗とは別にフードデリバリー専門の業態を開業したものを指します。
既存のフードデリバリーは蕎麦の出前や、ファミレスの宅配サービスなどがあります。
バーチャルレストランは実店舗の商品をデリバリーするのではなく、デリバリー専用のメニューを新たに用意します。
2種類のケースが存在しており、
①物件を取得し、フードデリバリーに特化したお店をOPENさせる方法と
②実店舗を営業しつつ、デリバリー専門店を『副業』として営業する方法です。
フードデリバリーアプリ経由で注文が入ると調理→配達するというのが大まかなシステムです。
集客から注文、配達、決済にいたってはデリバリー専用のプラットフォームを使用します。有名なところで言うとUberEats、出前館などです。
実店舗と並行して営業するメリットは、イートインと比較してすぐに売上を上げられる点と調理工程を簡素化することで効率的に売り上げが伸ばすことができる点が挙げられます。
自粛ムードが広まったコロナ禍をきっかけに一気に流行りました。
2022年現在でもバーチャルレストランの参入は遅くはありません。収益見込みが高いものですので、ぜひ実店舗と並行して営業することをおすすめします。
「クラウドキッチン」とは何が違うのか?
バーチャルレストランを検討される方の中には「クラウドキッチン」というワードを聞いたことがあるかたも多いのではないでしょうか。
クラウドキッチンとは、バーチャルレストランに特化したキッチンを複数所有する不動産業です。
クラウドキッチン事業者の収益はバーチャルレストランを運営するテナントから得る家賃の収益です。
また、運営会社によっては売上UPのための知見をテナントに共有し、売上に連動して手数料をとる形もあります。
既に飲食店を経営されている方は、クラウドキッチンを導入する必要はありません。
バーチャルレストランは年々成長している
緊急事態宣言を気に、バーチャルレストランは急増しています。
自粛ムードが緩和されてきた現在でも、市場は伸び続けています。
ここで、出前館決算資料とXKitchenの直営店売上のデータから、売上成長と今後のバーチャルレストランの成長性を考察します。
参考:出前館決算資料より
XKitchen直営店売上データ
資料を要約すると3Q20~3Q21の1年間で以下のような数値と成長が伺えます。
- 約1500億円の売上
- 総注文金額は44%成長
- 加盟店舗は3倍
- 100億円以上の広告費
高い売上成長を維持しながら、100億円以上を広告費に使用していることから今後もフードデリバリーを使用する認知は高まり続けることが予想されます。
また、弊社が運営している直営店も緊急事態宣言が解除されてからもオーダーが激減することはなく、既存業態のリピーターが増えて続けています。
さらに新規業態の追加し続けていることで順調に売上が成長しています。
バーチャルレストランはやらない理由がないと断言しても良いほど、飲食店に必須の「副業」なのです。
どんな人がバーチャルレストランをやっているのか
新規店舗が増え続けているバーチャルレストランですが、どのような人が新規店舗をオープンさせているのでしょうか。
ここでは3つのケースをご紹介します。
① 飲食店オーナー
実店舗+バーチャルレストランという二足のわらじで運営される方が圧倒的に多いです。
実店舗の売り上げは、店舗の大きさや商圏により制限されるため、バーチャルレストランを使って補填したり、売上を倍増させる方が多いです。
②新規事業でバーチャルレストラン開店
企業や個人が新規開業で物件を取得したり、クラウドキッチンに入居してバーチャルレストランを開業されるパターン。
初期費用を大幅に抑えられ、撤退もしやすいところが特徴です。
③実店舗をバーチャルレストランに転換
コロナ禍で飲食オーナーが運営している飲食店をバーチャルレストランに転換するケースです。人件費が大幅に抑えられるので、撤退せずに不動産を有効利用できます。
バーチャルレストランを経営する際のメリット・デメリット
次にバーチャルレストランを経営する上でのメリットとデメリットを紹介します。
バーチャルレストランを経営するメリット
①初期費用・固定費が安い
バーチャルレストランと飲食店(実店舗)を新規出店をする際の比較してみます。
- 一般的な飲食店の出店費用…1000万円~
- バーチャルレストランの出店費用…100万円~
バーチャルレストランはデリバリー特化のため、ほとんど場合はイートイン営業は行いません。
そのおかげで、客席が必要なく内装費用を大幅に抑えることができます。
居抜き物件を活用したり、クラウドキッチンに入居すれば最低100万円ほどでバーチャルレストランを開業することもできます。
物件取得費用は不動産によって大きく変わりますので、しっかりと比較検討は必要です。
現在営業中の実店舗を利用した場合、固定費はそのままで売上を倍増させることも可能です。
②1拠点で複数のバーチャルレストランを運営できる
バーチャルレストランは1つのキッチンで複数の業態を運営することができます。
複数の業態を運営するメリットは、収益源を増やせることです。
そのことで、売上低下のリスクを分散することができます。
例えば
- ラーメン屋
- ハンバーガー屋
- 中華料理屋
- カレー屋
1つのキッチンで営業するということも可能ということになります。
③立地の影響が比較的少ない
従来の飲食店では売上は立地に大きく影響されており、売上をあげるためには人通りが多い一等立地に店を構えることが重要でした。
しかし、バーチャルレストランはターゲットとなる注文者が配達エリア内にいれば、二等三等立地の物件でも十分売上をあげることが可能です。
バーチャルレストランを経営するデメリット
実店舗とは全く別のバーチャルレストランのための知識を学ぶ必要があります。例えば、Uber・出前館の知識、Webマーケティング知識などです。
実店舗の集客と同じようにフードデリバリーアプリ内でも自分の業態の注文を増やすためにさまざまな施策を行う必要があります。
ここでは必要な知識を大きく3つに分類して解説していきます。
①広告
Uber Eats内にはさまざまプロモーションを出すことができます。
- Uber Eats内でリスティング広告を出す
- 新規顧客に対して割引クーポンを配布する
- お客様に対してクーポンとメッセージを送る
上記のようなプロモーションをUber Eatsのレストラン管理画面から設定できます。
売上が少ないところを調査し、さらに売上を伸ばしていくため何が必要かを分析します。
- 新規顧客注文数が足りない
- リピーターの囲い込みができない
など、仮説を立てながら広告を投下する必要があります。
②商品写真、キャッチコピーの改善
Uber Eats内の看板となる「店舗名」や「TOP写真」は売上に大きな影響を与える要素です。
さらに、「商品写真」は売上に大きく関わってきます。
他の売れている店舗を参考にしながら、定期的に改善をしていく必要があります。
この改善作業は時間も手間もかかりますが、あたらな顧客層を取り込むためにとても重要な作業です。
③商品や価格の改善
実店舗の食べログ評価は3.5以上と評判なのに、Uber Eatsだとマクドナルドよりも評価が低い…なんて店舗も存在します。
バーチャルレストランはデリバリーに特化できる反面、評判を落としやすい要因も秘めています。
- 配達員の態度が悪い
- 届いた時に商品がぬるくなっていた
- 写真と分量が違う
など、お客さんがマイナスの体験をしやすいのです。
このようなリスクを極力避けられるように、微調整する必要があります。実店舗と同じように、お客様が納得いく価格で満足いく量を提供する必要があります。
UberEatsの管理画面から、お客さんからのフィードバックを確認することができます。
こまめに確認し、商品や価格の改善を行いましょう。
④デリバリー専用メニューの開発
バーチャルレストラン業態と実店舗では、売れる商品に違いがあります。
例えば実店舗で出店が激化している唐揚げ業態は、Uber Eatsの商圏3km以内に大量の店舗が出店されており、その中で売上を得ることは至難の技です。
一方、ニッチで実店舗の少ないエスニック業態は直営店舗で100万円/月以上売り上げています。
こういったニーズを探るため、市場調査や新業態を開発しトライ&エラーを繰り返し売れる業態を把握する必要があります。
飲食店がバーチャルレストランを始めるための確認ポイント
バーチャルレストランを開業するために必ず必要となるものをまとめました。大きく4つの確認ポイントをご紹介します。
1.食品衛生責任者の資格取得
飲食店を開店するためには「飲食店営業許可」の発行が必要です。
それに合わせて、「食品衛生責任者」の選任と保健所の検査をクリアする必要があります。
スムーズにいけば申請から2~3週間ほどで取得することができます。
2.デリバリー専用メニューの開発
Uber Eatsの場合は、最低10品以上のメニュー登録が必要です。
メニューがない場合は新たに開発する必要があります。
自社で開発する手間を省くには、バーチャルレストランFCを利用するのがおすすめです。専門業者にメニュー開発を依頼することができますので、時間もコストも削減することができます。
3.フードデリバリーサービスへの登録
バーチャルレストランを出店する際はフードデリバリーサービスに登録する必要があります。
登録時には営業許可書や店舗基本情報、銀行口座が必須です。
申し込みフォームから必要情報を入力し、およそ1~2ヶ月ほどで出店することが可能です。
4.配達員が迷わないようにする
バーチャルレストランでは、度々「お店の場所がわからない」という配達員のトラブルが発生します。
実店舗と違い大きく看板を出さないため、配達員にわかりにくくなってしまうのです。
バーチャルレストランの場合は配達員向けのコメント欄に実店舗名を記載しましょう。
もし、営業する店舗がわかりにくい位置にある場合、配達員向けの看板を用意することも検討しましょう。
配達員が迷わずにたどりつけると受け渡しもスムーズになり、商品が冷めることなくお客様へ届けることができます。
バーチャルレストランを始めた飲食店の事例
ここで実際に飲食店内のキッチンを活用して、XKitchenのバーチャルレストランを始めた事例をご紹介します。
〜〜〜〜〜
唐揚げテイクアウト専門店 向ヶ丘遊園(東京郊外エリア)
導入バーチャルレストラン業態1:¥270,790導入バーチャルレストラン業態2:¥271,910
「店舗負担少なく、想定以上の売上を作れました」実店舗では、3名稼働。でも2.5名で回せる時間帯もある。
そんな0.5名を埋めることのできるのが魅力です。
鶏にこだわったお店をしていたので、正直なところ業界イメージ的に、味や品質にはじめは懐疑的でしたが、サンプルを試食してみて美味しく、安心しました。
いまでは導入ブランドも増やし、”店舗内新規事業”といったイメージで展開しています。
〜〜〜〜〜
このように1業態あたりの利益率がよく、効率的に黒字化を目指すことができます。
万が一「思ったより売上が伸びない」と思った業態は、チェンジすることができるのもXKitchenの強みです。
まとめ
今回はバーチャルレストランの概要、開業までのポイントを説明をさせていただきました。
バーチャルレストランは飲食店にとって「やるべき理由」しかない業態だということがわかっていただけたと思います。
しかし、バーチャルレストランは「やれば必ず儲かる」というものではありません。マーケティングや商品開発が肝となります。
そのポイントさえ抑えておけば、初月から黒字を出すことも難しくはありません。
デリバリーサービスの登録や、メニュー開発、スタッフ教育など、初めてのバーチャルレストランではとまどうことが多いのも事実です。
全てを自社でかまなうのは、経費や時間がかかるわりに効果が出ないこともあります。
2週間以内に開業できるXKitchenなら、スピーディーにバーチャルレストランを開業することができ、リスクを最小限に抑えることができます。
まずはバーチャルレストランFCの導入を検討されてはいかがでしょうか。
XKitchenでは、資料請求だけでも大歓迎です。不明点などは些細なことでもお送りください。
専門スタッフが真摯に対応させていただきます。